グロースグロックナー・アルプス山岳道路
グロースグロックナーは、初登頂以来200年経ったいまでも、数多くの神話と伝説が伝えられていることでも知られています。グロースグロックナーの名称の由来については、山の形が鐘(グロッケ)に似ていたからだとする説、あるいは金の発掘(ゴルト・クロッケン)に関係があるという説などがあります。
いずれにせよ、グロースグロックナーはたいへん魅力ある山で、今も昔も多くの人々を惹きつけ、オーストリア皇帝もそのひとりでした。1856年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は皇妃エリザベート(シシィ)とともに、この山の氷河を見物に訪れました。ハイリゲンブルートから4時間かけて、皇帝夫妻はひとつの鞍部に達し、ここが「フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ」と呼ばれるようになりました。皇帝はこの場所に2時間以上とどまり、オーストリア最大の長さ9.4キロのパステルツェ氷河の眺望をはじめ、グロースグロックナーの偉容に深い感銘を受けたと伝えられています。
展望台があるフランツ・ヨーゼフス・ヘーエまでは、美しい眺望で知られるグロースグロックナー山岳道路が通じています。1935年に開通したこの道路はホーエ・ タウエルン国立公園の中心部を貫くもので、全長48キロ、最高点の標高2500メートルに達するまでに、熱帯以外のすべての植物相の中を通ります。道路沿いにはいくつかの博物館があり、この地域の自然の素晴らしさをさまざまな角度から紹介します。
グロースグロックナー・アルプス山岳道路は5月初めから11月初めまで通行可能です(毎日5時〜22時、有料)。
グロースグロックナー・アルプス山岳道路公式サイト
ピッフカー 1620m 特別展「タウエルン-アルプス越えのルート」、自然観察ハイキングルート、テーマ別遊園地
ホッホマイス 1850m 自然観察インフォメーション
アルプス自然展示館 2260m ホーエ・タウエルンの高山を見渡すパノラマ、映画紹介、高山植物観察ルート
エーデルワイス・シュピッツェ 2571m 最高海抜の展望地点まで短いルートがあり、30以上の3000m級の高山を一望。このルートはバスには不向きです。
フッシャー・テール 2428m 360度の素晴らしい展望。世界的に有名な建築家クレメンス・ホルツバウアーが建てた、山岳道路建設の記念碑
インフォメーション・ポイント・グライフフォーゲル 2320m
フィッシャー・ラッケ 2262m 展覧会「山岳道路の建設」、フィッシャー・ラッケ周遊ルート、テーマ別遊園地
地理学観察ルート 2290m
ホッホトア 2504m 峠の最高地点。ケルト時代の山岳信仰を示す発掘地、歴史ハイキングコース「ケルト人ルート、山岳運搬人ルート、ローマ人のルート」徒歩25分
シェーネック 1953m アルプスの景観の中で高山植物や昆虫を観察する周遊ハイキングコース、テーマ別遊園地
グロースグロックナー・フランツ・ヨーゼフスヘーエ展望台 2369m グロースグロックナーの山頂と、アルプス東部最長のパステルツェ氷河を望む雄大な展望。ビジターセンター、グロックナー映画館、パノラマルーム、レ
48ｋｍに渡るグロースグロックナー・アルプス山岳道路は生命に満ちた記念碑です。2000年以上前、ケルト人とローマ人がイタリアから中央ヨーロッパへと山越えをした交易路に、1935年8月３日、観光客のための最初の山岳道路が開通しました。当時、世界で最も美しい道路を建設したかっただけではなく、実際建設に4,000人もの雇用を生み出し、ザルツブルク州とケルンテン州の主要なアルプス地域を結ぶ重要な南北道路が出来上がりました。建設期間は26ヵ月、180万時間、3,200人の労働者が87万㎡の土と岩を動かし、115,750㎡の石積みを作り、67の橋を建設しました。総建設費用は8,250万ユーロに相当し、当時の道路建設としては莫大な金額でした。今や年間約90万人の観光客が訪れるグロースグロックナー・アルプス山岳道路は人々の生命が息づく建築記念碑として2015年に国の指定建造物に認定されました。そして現在、ユネスコ世界文化遺産への登録を申請中です。
人々は今、素晴らしい戸外でのんびりとした時間を過ごすことを切望しています。グロースグロックナー・アルプス山岳道路はまさに深呼吸をするための十分な環境が整った理想の場所です。48㎞もの長い距離、美しい山岳景色を眺めることは健康に絶大なプラスの効果を与えます。ルート沿いの透き通った山の空気の中で自然と深呼吸！特に雪に覆われた3,000ｍの山頂と緑の広がりが視野に入っているときは、深呼吸をするのに最適な時です。
道路から少し離れると、緑豊かな高山の牧草地と色とりどりの花の海が足元に広がります。牧草地でリラックスして空を見ていると、自分が自然の一部と感じられます。生意気そうなマーモットや珍しいアポロ蝶も歓迎してくれます。ハイキングが好きな人には、気軽な散歩からテーマ・トレイルや高山の登山まで、ホーエタウエルン国立公園の山々にネットワークが広がっています。ここにいると徐々に健康になっていきます。新鮮な空気の中で運動すると体の循環と代謝を促進し、それが私たちの免疫システムを活性化することは科学的に証明されています！
持続可能なEVで230kmを走る
「グロースグロックナー・E-プレジャードライブ」は、オーストリア初のEVが利用できる山岳街道ルートです。全長230kmの周遊ルートは、ザルツブルク州、東チロル、ケルンテン州にまたがるホーエ・タウエルン国立公園を通り、オーストリアで最も美しいパノラマルートのグロースグロックナー・アルプス山岳道路を走ります。 全ルートに充電ステーションが整備され、安全でクリーンなドライブを保証しています。街道には持続可能性、エコロジー、地域性を考慮して特別に選ばれたたくさんの観光スポットがあり、お好みのところでストップオーバーし、余韻に浸り、そしてもちろん飲食を楽しむことができます。グロースグロックナー・E -プレジャードライブは、あらゆる面で持続可能な楽しみを提供してくれます！
観光ポイントから観光ポイントへ、快適なドライブを
グロースグロックナー・E-プレジャードライブは、"バッテリーをチャージする!"をモットーに、観光スポットから観光スポットへと移動するEVルート。この周遊では6つの分野で持続可能な旅を体験できます：レストラン＆ゲストハウス、ホテル＆宿泊施設、山小屋＆ヤウゼ（午後の軽食）、ファームショップ＆食料品、サステナブルな観光スポット、国立公園のレンジャーによるガイドツアーなど、さまざまな楽しみがあります。
食の愉しみといえば、エレガントなレストランで味わうオーガニックな4つ星グルメメニューも、宿で味わう昔ながらの郷土料理と同じくらい魅力的です。自家菜園で採れた食材を使った料理や、居酒屋のスローフードのおいしい軽食もおすすめです。チーズ酪農家や酒の醸造所や有機農家などの食のステーションでは、試食やショッピングも楽しめます。2 つ以上のステージでツアーを完了したい人には、もちろん適切な宿泊オプションもあります。夢のような秘境の草原で花が香る中、アルプスの山小屋で過ごすロマンチックな夜はゲストを感動させ、刺激するはずです。E-ロードトリップは、ゲストにエネルギーを充電させ、いつまでもインスピレーションを与えてくれるに違いありません！
旅は喜び！
グロースグロックナー・E-プレジャードライブでは、旅自体が喜びとなります！走行距離や日数、訪れる観光ポイントは、それぞれE-ドライバーに任されています。この行程はご自分の旅行日数に合わせて区間の一部だけでも楽しむことが可能です。
高山と渓谷を無公害＆省エネで走る
グロースグロックナー・アルプス山岳道路会社は、長年にわたり、持続可能でクリーンな移動手段として、電気自動車を推進してきました。EVでグロースグロックナー・アルプス山岳道路を体験するのは至福の時です！上り坂では、モーターは遅滞なくフルパワーを発揮し、せいぜい穏やかな音を響かせる程度です。下り坂では、EVのバッテリーが自動的に充電されます。エネルギーを消費するのではなく、生み出すというモットーに忠実なのです！
EVとグロースグロックナー・アルプス山岳道路の "完璧なマッチング"
新しいグロースグロックナー・E-ドライブトリップに加え、グロースグロックナー・アルプス山岳道路会社はすでに長年にわたり、オーストリアで最も美しいパノラマ道路をE-モビリティの観点から魅力的な観光地にするために、次のような取り組みを行っています。
電気自動車用割引通行券
グロースグロックナー・アルプス山岳道路の全線において、ブルック、ハイリゲンブルート、ハウス・アルパイン・ナトゥアシャウ、ホッホトア、カイザー・フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ（＝オーストリア最高所のeチャージステーション）など15箇所のチャージステーションに合計25のeチャージポイントが設置され、途切れることなく充電が可能
フッシュ/フェアライテンとハイリゲンブルートで2つの急速充電器を新設
グロースグロックナー・アルプス山岳道路の通行券売り場内にある充電ステーションで無料で充電
e-バイク用アダプター、電動自転車充電用指定駐車場（グリーンマーク付き）
山岳道路でのe-バスのテスト： ホーエ・ザッテル・パーキングとカイザー・フランツ・ヨーゼフス・ヘーエを結ぶ排出ガスのないシャトルバスの運行を長期目標に掲げる。
グロースグロックナー・アルプス山岳道路会社の車両に電気自動車・車両を導入
お問い合わせ：Ms. Patricia Lutz/ Großglockner Hochalpenstraßen AG
/ Rainerstraße 2, 5020 Salzburg T: +43 (662) 87 36 73-116 / M: +43 (0664) 531 94 69 / E-Mail:lutz@grossglockner.at
かつてオーストリア皇帝が歩いた場所をハイキングする
1856年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃エリザベート（シシィ）がハイリゲンブルートを訪れ、グロースグロックナーを間近に見て感嘆しました。現在でも、カイザー・フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ展望台には、皇帝陛下の訪問を記念する砂岩のプレートと白い等身大の像が設置されています。
7月中旬から9月末までは、カイザーシュタインへの無料ガイド付きハイキングが行われています：国立公園レンジャーと一緒に、10:30と13:30にカイザー・フランツ・ヨーゼフス・ヘーエのビジターセンター（2,428m）から、フライヴァンデックの駐車場建物の上を歩きパノラマトレイルに入り、ヴィルヘルム・スワロフスキー天文台を通って行きます。
晴れた日には、反対側にオーストリア最高峰のグロースグロックナー山を望むことができます。 ハイキングでは、国立公園のレンジャーが氷河の変化や道中に咲いている花、ここに生息する動物について説明してくれます。運が良ければ、1時間のハイキングでマーモットに出会えるかもしれませんし、展望台の上にコロニーを作っているアイベックスに出会えるかもしれません。
車を停めて、降りて、足を伸ばして、感動してください。それが海抜 2,262 メートルのフッシャー・ラッケです。 湖の周りを歩くのに15 分程しかかからなくても、周囲の山々の景色はすごく印象的です。片方の斜面は険しい崖になっています。 反対側には、牧歌的なラウリス渓谷を見下ろすことができます。 特に春には、湖の周りの牧草地に美しい花が咲きます。 子供が喜ぶ冒険もあります。 湖の隣で、古いトロッコと廃棄されたアスファルト舗装の機械があり、心ゆくまで探索することができます。 湖のほとりには、道路建設当時の小さな道路管理人の小屋が保存されています。 ここでは、道路建設の歴史に関連する品々や、労働者たちがどのようにこの山岳道路を作り上げたのか、本当に感動的な展示と映画の上映が行われています！
もっと見たい、もっと体験したい
グロックナーバスツアーの最初のストップは、標高2260ｍのアルプス自然ショー博物館です。ここはホーエ・タウエルン山脈にある近代的なミュージアムで、可愛らしいマーモット映画と鉱物展、オープンエアインスタレーション「ザルツブルグ州最高峰の山の旅」、植物の学習道、居心地の良いレストランが建っています。
最終地点は、ハイライトのパステルツェ氷河の上の高台にあるカイザー・フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ（標高2,369メートル）です。この展望台には、オーストリア美術館特別賞を獲得した展示会 "自動車・オートバイ展"、美術展"アルプスの愛"、"氷河。命"、" 山、躍進する女性達"、グロックナー映画館、国立公園情報センターがあり、またそこからはパステルツェ氷河トレイル、ヴィルヘルム・スワロフスキー天文台まで続く（10分）、オーストリア最高峰のグロースグロックナー山（3,798m）の山頂の雄大な景色を楽しめるパノラマトレイル「カイザーシュタイン」を歩くことができます。
帰りは、シェーネックやホッホトアではコーヒーで一休みしたり、展示を見たり、短い散策をすることができます。グロックナーバスのパンフレットはこちらのページからダウンロードできます。
バス情報
運行期間：2024年5月29日～9月29日の水曜日、７月、８月は水・金曜日
*天候により変更の可能性があります。料金：大人 48ユーロ（片道34ユーロ）、子供（4～15才）28.50ユーロ
自転車持ち込み：11ユーロ出発地：
ヒンターグレム Hinterglemm (バスターミナル Bergfried) 9:00
ザールバッハ Saalbach (バスターミナルGlemmtaler Landesstraße 310) 9:10
ツェル・アム・ゼー Zell am See (バスターミナル Hallenbad駐車場) 9:30
ブルック Bruck (Kerzenwelt駐車場) 9:50
フッシュ Fusch (Ortsmitte停留所) 10:05
フェアライテン Ferleiten Kassenstelle 10:10
ホッホマイス Hochmais 10:20 - 10:30頃
ハウス・アルピーネ・ナトゥアシャウ Haus Alpine Naturschau 10:45 - 11:30（約45分停車）
カイザー・フランツ・ジョーゼフス・ヘーエ Kaiser Franz Josefs Höhe 12:30 - 15:00（約2時間停車）
復路 - 終点Hinterglemm 到着 約 18:00*ご予約は前日の15時まで。
グロースグロックナーを観光するには湖の美しいリゾート、ツェル・アム・ゼーや、グロースグロックナーの麓の町、ハイリゲンブルート、または、ドロミテ山塊を望む東チロルの町、リエンツなどに宿泊し、ゆったりとした日程を組んでください。オーストリア・アルプスを満喫できます。
グロースグロックナー山岳道路を南側に下るとオーストリアで最も美しい村の一つ、ハイリゲンブルートがあります。教会にはコンスタンチノープルからキリストの聖血を持って氷河で凍死したといわれる騎士の墓と、聖なる血が収められています。教会のひときわ目立つ細長い尖塔は、静かで落ち着いたこの村のシンボル。青い空に聳え立つグロースグロックナーを背景に素朴な木造の家々が並ぶ風景は、まさに格好の被写体です。
ロープウェーでシャレック山(2556m)に上がれば山頂から絶景が望めます。
ハイリゲンブルートとリエンツはバスで繋がっています。ドロミテの町リエンツは、ドロミテアルプスと溶け合って独特の南国的な雰囲気を持っています。温暖な気候のため歩行者天国が設けられ、カフェテラスが並び、ゆっくりと腰をおろして街の風情を楽しむことができます。リエンツから少し離れたブルック城には、郷土博物館と美術館があり、この地方で最も有名な画家、アルビン・エッガー＝リエンツ（1868～1926）の作品が展示されています。彼は壮大な山の風景や、農村の生活、チロルの歴史をモチーフにして作品を描きました。リエンツ・ドロミテは、ハイカーや登山家に人気であるだけではなく、6月のドロミテ周回自転車競技から、8月のハードな競技「ドロミテマン」レース、1月には有名なクロスカントリー競技の国際ドロミテレースが行われるスポーツのメッカです。
ザルツブルクから南に80キロに位置する「湖畔のツェル」を意味するツェル・アム・ゼーは、目の前に紺碧のツェル湖が広がり、周りを山々に取り囲まれた、オーストリアで最も美しいアルプスの街と賞賛されています。夏でも山頂を白銀に覆われたキッツシュタインホルン(3203メートル)の雄大な景観と澄み切ったアルプスの空気は、この街を訪れる人々に鮮烈な旅の感動を与えます。
本格的なリゾート地であるツェル・アム・ゼーは、湖畔の豪華なホテルに加え街中に伝統的なホテルが多くあります。伝統的な様式の可憐な家々を見ながらの散 歩や、小さなブティックを回るショッピング、おしゃれなカフェやレストラン、あるいは素朴なコテージでの食事など、パーフェクトな休日を演出するすべてが揃っています。
主な年間行事としては、シュミッテンヘーエで6月に行われる夏至の火祭り、夏の湖でのいろいろな音楽イベント、冬のペルヒテン祭などがあります。
ツェル・アム・ゼーからポストバスは運行されていませんので、現地の旅行社が出しているグロックナーバスの日帰り観光バス（水・金）や、ザルツブルクからの日帰り観光バス（毎日）をご利用ください(要予約)。ツアーに日程が合わない場合は、ツェル・アム・ゼーからタクシーまたは、小グループならミニバスを手配して観光します。
ハイリゲンブルートは鉄道が通っていませんので、グロースグロックナーの南側ではリエンツが鉄道の拠点になります。インスブルックからリエンツ(180km)へは列車の本数は少なく、所要時間は3時間15分。この列車は一部イタリア領を通りますが、オーストリアレイルパスは使えます。
ザルツブルクからリエンツ(218km)に列車でいく場合は、一度シュピッタール(ケルンテン州)で乗り換えますが、本数が多いので便利です。所用時間は3時間半。リエンツからハイリゲンブートへはポストバスで一時間、さらにハイリゲンブルートからグロースグロックナーの展望台フランツ・ヨーゼフス・ヘーエまではポストバスで40分です。バスは６月初旬から９月中旬まで一日３往復（悪天候の時は運休）。時刻表のダウンロードはこちら。