今年のオススメ観光地
これからの旅行プランのヒントに!
オーストリア第2の都市であり、シュタイアマルク州の州都、そしてユネスコ世界遺産都市のグラーツ(Graz)。地中海性の温暖な気候に恵まれ、南欧の雰囲気が漂う文化都市です。赤い瓦屋根の旧市街は、中世のたたずまいを色濃く残しています。シュロスベルクの丘(Schlossberg)にそびえる時計塔、シュタイアマルク州庁舎(Landhaus)と武器博物館(Zeughaus)、"フレンドリーな宇宙人"の愛称を持つ現代博物館(Kunsthaus Graz)は、必ず訪問したい観光名所です。大阪城研究に一役買ったエッゲンベルク宮殿の豊臣期大坂城下屏風絵も見逃せません。
グラーツは美食も有名です。その理由は、シュタイアマルク州の肥沃な土壌で育つ農産物が集まるから。旬を味わえるレストラン、毎朝市内各地で開かれるファーマーズマーケット、そして毎年8月恒例の一大グルメイベント「ロング・テーブル・オブ・グラーツ※」などで、食の喜びを満喫できます。※次回は2024年8月24日。チケット発売中(2024年3月現在残りわずか)。詳しくはグラーツ市観光局サイトをご参照ください。
ザルツブルク(Salzburg)は、モーツァルトの故郷、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台として知られる古都で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。街のシンボルは、メンヒスベルク山から旧市街を睥睨するホーエンザルツブルク城(Hohensalzburg)。堅牢な中世の城塞建築ですが、豪華な装飾で彩られた大司教の居間や黄金の間は圧巻です。高台からはアルプスの山並みが目前に広がります。
1756年にモーツァルトが生まれた家(Mozart Geburtshaus)は、記念館になっており、幼少期のバイオリンや書簡などが展示されています。また生家から近い大聖堂(Dom)には、神童が使った洗礼盤が残っています。ミラベル庭園(Mirabellgarten)を訪れれば、『サウンド・オブ・ミュージック』のドレミの歌の舞台がそのままに残っていることに驚くでしょう。他にもゲトライデ通り(Getreidegasse)、レジテンツ広場(Residenzplatz)、レオポルヅクロン宮殿(Schloss Leopoldskron)など各所で撮影が行われました。市内と郊外のロケ地を効率よく巡るには、ザルツブルク市観光局推薦のツアーへの参加がオススメです。
ザルツブルク観光にはザルツブルク・カードが便利です。公共交通機関の利用やほぼすべての観光施設への入場が含まれています。
ウィーン自然史博物館と対を成す、壮麗なウィーン美術史博物館(Kunsthistorisches Museum)、通称KHM(カーハーエム)。ハプスブルク家の歴代皇帝が世界中から蒐集した膨大なコレクションを収蔵するため、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の命により1891年に完成しました。古代エジプト・ギリシャから18 世紀後半まで約5千年にわたる美術品は、ハプスブルク家の庇護と目利きを物語っています。絵画では、ルーベンス、レンブラント、ラファエロ、フェルメール、ベラスケス、ティツィアーノ、デューラーの名作を始め、ブリューゲルの世界最大のコレクションが並びます
財宝・珍品コレクションを展示する美術工芸収集室(Kunstkammer)では、ベンヴェヌート・チェリーニの金の塩入れ『サリエラ』をはじめ、見事なブロンズ像、繊細で奇妙な象牙細工、貴重な時計、複雑なオートマタ、奇妙な科学機器、貴重なゲームなど、約2,200の美術・工芸品が展示されています。
若きグスタフ・クリムトが共同制作した一連の壁画が並ぶ大階段の間と、「世界一美しいカフェ」と称されるクーポラカフェも見逃せません。
またウィーン美術史博物館は、オーストリア各地に博物館を持つミュージアム運営団体でもあります。下記リンクでは傘下の博物館・美術館の情報もご紹介しています。
レオポルド美術館(Leopold Museum)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてのモダニズム初期の卓越したコレクションを所蔵する私設美術館です。中心を成すのはエゴン・シーレの世界最大コレクション。『ほおずきの実のある自画像』『モルダウ河畔のクルマウ』『母と子』『悲しみの女』といった、若き天才の内面をさらけ出す傑作が並びます。シーレが師と仰いだ巨匠グスタフ・クリムトの絵画も充実しており、傑作とされる『死と生』や『アッター湖畔』などがあります。これらは「1900 年代のウィーン」というテーマのもと、常設展示されています。
コロマン・モーザーとヨーゼフ・ホフマンの「芸術と工芸」の作品群では、この時代のデザインの先進性がわかります。また、表現主義のパイオニア、リヒャハルト・ゲルストルとオスカー・ココシュカの作品のほか、1918 年から1938 年のオーストリア美術を俯瞰するコレクションを有しています。
毎月第1木曜日の18時~21時は、PORR社の協賛により入場が無料です。
2020年にはMQリベッレ(MQ Libelle)という屋上スペースがオープンしました。ウィーン美術史博物館、自然史博物館の双子建築をはじめ、素晴らしい眺望が楽しめます。ここには、美術館の入場券が無くても入れます。
グロースグロックナー・アルプス山岳道路(Großglockner Hochalpenstraße)は観光を目的とした全長48 ㎞の自動車道路です。ホーエ・タウエルン国立公園(Nationalpark Hohe Tauern)を通り、海抜2,571mまで達し、オーストリア最高峰グロースグロックナー山の麓を辿り、パステルツェ氷河(Pasterze)に至ります。標高2,369mの展望台フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ(Kaiser-Franz-Josefs-Höhe)からは、標高3,798mのグロースグロックナー山の斜面と雪原、それらを取り囲む3千メートル級の峰々の景色が広がります。1856年には同じ眺めを、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世夫妻が楽しみました。展望台にはレストランがあり、また近くの登山道ではマーモットや、運が良ければアイベックス、カモシカやワシも見ることができます。
グロースグロックナー・アルプス山岳道路を利用するにはレンタカーやレンタバイクが一般的ですが、夏期は観光専用のグロックナーバス(Glockner Bus)が運行します(2024年は5月29日~9月29日の毎週水。7月と8月は毎週水・金)。グロックナーバスの最新情報およびその他のツアーについてはこのページをご参照ください。またグロースグロックナー訪問を含む旅行会社のツアーに参加するのもよいでしょう。グロースグロックナー・アルプス山岳道路自体は、積雪の状況にもよりますが、毎年5月初め~11月初めごろまで開通しています。