世界の舞台 - ザルツブルク
この街は、音楽そのものです。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生誕地として、名高く魅惑的なザルツブルク音楽祭の開催地として、また、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地として、ザルツブルクの名は世界中の人々に音楽の聖地として知られています。
世界的に有名な小さな古都
旧市街の小路に少しでも足を踏み入れれば、ザルツブルクの優雅さを感じることができます。かつては大司教たちが歩き、権力と華麗さに満ちていた場所に、現在は落ち着いた市場や何世紀も続く伝統的な商店が立ち並んでいます。 繊細なギルドの看板、国際ブランドのディスプレイ、素敵な住宅など、どこから見ればよいのか迷ってしまうほどです。印象的な教会の尖塔、壮大な要塞、街を取り巻く山々の美しい景色にユネスコが「世界遺産」の称号を与えた理由もすぐに明らかになります。ザルツブルクはコンパクトな街なので歩きやすいとはいえ、誰にも負けない威厳を醸し出しています。その理由は音楽と文化にあり、この小さな町に世界的な地位を与えるほど重要な要素となっています。
ザルツブルクは世界の舞台
モーツァルトの街ザルツブルクでは、年間を通じ4,500ものハイレベルな文化イベントが開催され、世界中の人々に感動を与えています。世界的に名の知れた数々の音楽祭の中でも、バロック都市の国際的な重要性を示す最高のイベントは間違いなくザルツブルク音楽祭でしょう。 毎年夏になると、文字通り街全体がステージに変わります。 歴史的なコンサートホール、広場、路地は、トップクラスのオーケストラの音色や現代的芸術パフォーマンスの会場となります。ザルツブルクはどこかしこも芸術に満ち溢れるのです。
独創的な町の構成
建築と山のパノラマの調和でも、ミラベル庭園の花壇の配置にしても、モーツァルトクーゲルのヌガーとチョコレートの絶妙な組み合わせという点でも、ザルツブルクは規模の大小を問わず完璧に整えられているように見えます。そのためここでは味覚、耳、心を簡単に満足させることができます。
ザルツブルクの歴史的地区は25年以上にわたって世界遺産に登録されており、ヨーロッパで最も人気のある観光地のひとつとなっています。この街のエレガンスとユニークさは、大司教たちのおかげです。400年以上前、有力な大司教たちはザルツブルクの街をバロックの宝石に変え始めました。当時の最も偉大な建築家たちをザルツブルクに集め、都市の傑作を作り上げ、現在では中心部の歴史的地区はユネスコの世界遺産として認められ、保護されています。
ザルツブルク旧市街の中心地に建つ、領主大司教の建築遺産を巡るザルツブルク・ドームクオーターは、2024年に10周年を迎えます。17世紀にギルボルト・グラフ・フォン・トゥーン領主大司教のもと造られた回廊は、2014年、200年の時を経て美術館巡回コースとして再び通れるようになり、大聖堂広場の上段を散策することができるようになりました。
巡回コースが再開されたことにより、街中と市を取り囲む丘陵の魅力あふれる眺望の新たなスポットが生まれたと同時に、今まで見えなかった素晴らしい知識の旅への展望も開けました。権力の歴史、美術史、そして素晴らしい建築物が一度に見られ、その相互作用を自身で垣間見ることができます。訪れた人は当時の大司教と同じ目線で豪華な場所を歩き、バロック様式を代表する建築の素晴らしい部屋の数々と2000点ものバロック美術品を堪能することができます。
歴史を肌で感じる
世界遺産「ザルツブルク市街の歴史的地区」は、約1,000の建造物で構成され、その総面積は236ヘクタールに及びます。ザルツブルクの重要性と発展を物語る、石と大理石と木でできた建物や彫像、シンボルに出会わずして、この街を歩くことは不可能です。教会、礼拝堂、修道院、墓地が庭園や宮殿と交互に並び、世界的に有名な街風景を作り出しています。ザルツブルクの独特な雰囲気は、旧市街の小路や路地を歩くときにも伝わってきます。ゲトライデガッセ通りとその周辺の並行する通りを結ぶ13の通路は、それぞれに魅力があり、地元の人々にも観光客にも人気があります。
毎年7月下旬から8月末まで開催されるザルツブルク音楽祭では、トップクラスのオーケストラやソリスト達による演奏の他に、100年以上にわたって毎年ザルツブルク大聖堂広場で、世界的に有名な戯曲、フーゴ・フォン・ホーフマンスタールの『イェーダーマン』が演じられ、ザルツブルク音楽祭に欠かせないハイライトのひとつになっています。今年は新演出・新キャストで上演され、一度は観劇したい演目です。
ザルツブルク音楽祭、ジーメンス・オーストリア、ユニテル、ORFザルツブルク放送は、20年以上にわたって人気のジーメンス・フェスティバル・ナイトを開催してきました。今までに100万人を超える観客がカピテルプラッツ広場を訪れ、ザルツブルク旧市街のユニークな雰囲気の中、音楽祭の過去の演目や最新の作品を無料で鑑賞しています。
モーツァルトの名前が付いたチョコレートプラリネは、ほとんど誰もが知っています。 土産物店のショーウィンドウに並べられた美味しそうなチョコレートに人々の目は奪われます。面白い話に興味があるザルツブルクの訪問者は、モーツァルトクーゲルがどのようにして発明されたのか、また「オリジナル」のモーツァルトクーゲルと「本物の」モーツァルトクーゲルを区別する方法をすでに知っているでしょう。 さて、ザルツブルクには実際に何種類のモーツァルトクーゲルのバリエーションがあるのでしょうか?
ミラベル庭園とザルツァッハ川の間に小さな音楽の小宇宙があります。111年の歴史を持つザルツブルク・マリオネット劇場では、夜の女王、パパゲーノ、マリア・フォン・トラップ、そして星の王子さまの人形が手作りされ、命を吹き込まれています。オペラやおとぎ話が数多く上演される中で、人形が独自の魅力を放つことができるように、人形はここで彫られ、彩色され、衣装が着せられています。この特殊な演劇は、2016年にユネスコの無形文化財リストに登録されました。観劇した後は、老若男女を問わず、デジタル化が進む時代に関係なく、人々は感動を胸に劇場を後にします。午後の公演の前後に行われるステージ・ガイドツアーでは、その魅力がさらに感じられます。
優雅な街の歴史を堪能した後は、ザルツブルクの自然を楽しんでください。街のすぐ近くには小高い山々が、遠くには雄大な山脈が街を取り囲み、美しい緑や、ミラベル庭園のような有名な公園に恵まれているザルツブルクは、純粋な意味で緑の街と言うことができます。途中にある風光明媚な展望台からはザルツブルクの街並みを見渡す、夢のようなパノラマ景色を眺めることができます。
街の周囲にある山々は、気持ちの良い理想的な散策コースで、ザルツブルクがいかに自然と近いかを際立たせています。
ザルツブルクのランドマークであるホーエンザルツブルク城塞は標高542mのフェストゥングスベルクに聳えています。徒歩、またはケーブルカーで街からわずか120m上れば素晴らしい街の眺望が待っています。
メンヒスベルクは、近くのサンクト・ペーター修道院の修道士にちなんで名付けられました。 山の全長は 500mで、城塞の丘から北に向かって、ザルツァッハ川の左岸に沿ってミュルンまで続きます。 最高点の高さは508メートル。メンヒスベルク への登りルートは、各方向からいくつかありますので、ハイキングマップで時間に合わせたルートを決めることができます。メンヒスベルク・エレベーターを利用し、快適に山上に行くこともできます。ザルツブルク近代美術館もハイライトのひとつです。
ザルツァッハ川の北側に佇むカプツィーナーベルク は、山の周りをぐるっと散策すると約 1 時間半かかります。インベルクシュティーゲ Imbergstiege を経由して登り、突き当たりをすぐに右折します。 城壁沿いの歴史的な道 Basteiweg からは旧市街の最も美しいパノラマの景色を眺めることができます。 フランツィスキー・シュロッスルに到着したら、軽食をとり、カプチン会修道院を過ぎて街に戻ることができます。
ノンベルクには映画『サウンド・オブ・ミュージック』でもおなじみのノンベルク修道院があります。
街の東には、環状のパノラマハイキングコース、マウンテンバイクコース、パラグライダーの発着場があるガイスベルクがあります。
ウンタースベルク
市内からわずか15分離れれば、標高1973mのウンタースベルク山が聳えています。ケーブルカーに乗って山上まで上り、ザルツブルクの街と緑の牧草地を見下ろす絶景を愛で、アルプスを存分にご体験ください。
40年の歴史を誇る野外博物館
ウンタースベルク自然公園の中央に位置し、合計 50ヘクタールの敷地に16世紀から 20世紀までのザルツブルク州の5地域の、農場、職人の家、工場、納屋、鍛冶屋、製材所など100を超えるオリジナルの建物が展示されています。様々な工芸品の実演に加え、イースター市や伝統的なメイポールの祭りなど、季節ごとの風習行事もあり、インタラクティブな体験をさせてくれます。
ザルツブルクで「自分だけの」体験をしてみたいと思ったことはありませんか?ビール文化、モーツァルト、クリエイティブ・ザルツブルクなどをテーマにした街歩きは、未知の場所や最も美しい写真スポットに連れて行ってくれます。ザルツブルクカードはザルツブルク市を観光する上で、マスターキーとなるカードです。このカードがあれば、すべての見所やミュージアムの入場料が無料になるばかりか、市内のすべての公共交通機関のチケットとして使うことができます。
「セレニッシマの色彩 ー ウィーン美術史博物館所蔵 ヴェネツィアの巨匠たち」展では、ハプスブルク家が所蔵していたルネサンスからロココ時代にかけてのヴェネツィア美術の主要な作品が紹介されています。厳選された絵画作品に加え、タペストリー、ブロンズ像、武具など、他のジャンルの美術品も展示されています。また、旧帝室のクンストカンマー(美術工芸室)からの宝物や珍品も展示されます。
2024年6月21日~2025年1月6日
世界が注目するザルツブルク音楽祭は創立以来100年を超え、今日までこの音楽祭は、コンサートと共に、ドラマやオペラの公演を組み合わせたユニークなフェスティバルとして、大物アーティストたちや世界中から訪れるビジターたちを惹きつけてきました。この比類なきイベントは、ユネスコ世界遺産の都市ザルツブルクの有名なコンサートホールを、文字通り「世界のステージ」に変身させます。
2025年7月下旬~8月末
秋はザルツブルクではイベントが多く、地ビールが大いに楽しめます。伝統あるビール醸造は町の食文化そのものです。
毎年、秋にザルツブルクでは、大聖堂広場を中心に大規模なお祭り「ルペルティキルターク」が開催されます。このザルツブルクの守護聖人、ルペルトを祭る、伝統ある人気の高い教会のお祭りは、8世紀に起源を発しています。西暦774年9月24日、ザルツブルク大聖堂は、聖ペテロと聖ルペルトに捧げ、その日を休日と宣言しました。今日のお祭りでは、地元の伝統工芸品や物産の販売、伝統的なザルツブルク料理や新鮮な地ビールの屋台が出て、民族音楽やダンスが披露されます。地元の人々は色彩豊かなディアンドルやレーダーホーゼなどの民族衣装を着て、観光客の目を楽しませてくれます。
聖ルペルト祭: 2024年9月20日~24日
ザルツブルク市内にはいくつかの場所でクリスマスマーケット(現地ではクリストキンドルマルクト=キリスト幼子の市場と言われる)が開かれます。一番大きいドーム広場/レジデンツ広場で行われるクリスマスマーケットの起源は 15 世紀後半にまで遡り、世界最古のクリスマスマーケットの 1 つです。 世界遺産に登録されている旧市街の中心部というユニークな環境、伝統的な市場の屋台、そしてその長い歴史により、ザルツブルクのクリスマスマーケットは訪れる価値のある特別なイベントです。
2024年11月21日~2025年1月1日
ザルツブルク・クリスマス博物館では、ヨーロッパでも類を見ない歴史的なコレクションが展示され、地域のクリスマスの伝統をあらゆる面から紹介しています。
ホーエンザルツブルク城塞からの街の眺めは素晴らしく、街の全貌を見渡すのに最適です。また、ザルツブルクの美しさを写真に収めるのに欠かせないランドマークが、この堂々たる城塞です。要塞が入った写真映えする景色を眺めるには、人里離れた高台や山を歩くのがおススメです。自然が周りにあり、文化の香る小さな古都ザルツブルクはどこを歩いても、絵になります。